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「ただい、まぁ~」
部屋に入るなり玄関に倒れこむ。
「おかえり~。ちゃんと買えたか?」
帰ってきた音を聞きつけて、結くんは玄関まで迎えに来てくれた。
「うん……たぶん。メモに書いてあるものは全部」
「おー、エラいエラい。よくできました」
そう言って俺の頭をなでる手をつかむと、仰向けになって結くんを見る。
「ヨシヨシだけじゃ足りない。ご褒美はちゅうがいい」
「……調子乗んな」
「やっ!絶対ちゅうがいい!だって今日まだしてないし……ちゅうじゃなきゃやだ……」
「あー……うるせ……」
「キス、して。おねがい」
今にも泣きそうな潤んだ目で見つめたら、結くんの顔が赤くなった。
そして、
「そういう顔すんな……ばか」
優しくキスしてくれた。
はー……最高です……。
結くんの後頭部に手を回してさらに深くキスをする。
結くんのが、自分の口の中に入ってくればくるほど疲れがぶっ飛んでいく。
今、すごい勢いで体力回復してるよ。
チュッと音を立てて唇を離すと、俺はニコリと微笑む。
「……ありがと、ご主人様。超元気でた」
「あ、あっそ!なら、さっさとゴハンの準備手伝ってくれる」
「部屋は終わったの?」
「大体メドがついたから今日は終わりにする。細かい整理はまた明日かな。疲れたし」
「そう」
「それに知里、おなかすいたでしょ?早くゴハンにしよ」
「うんっ」
さすが結くん、本当に俺のことよく分かってる。
手伝えと言われたものの、手伝うと逆に迷惑をかけることになりそうだったので結くんのうしろにピッタリくっついて応援した。
つまりはいつもといっしょ。
「がんばれ結くーん、その調子その調子~」
「抱きついて応援するヒマあんならせめて、蕎麦入れるどんぶりくらい洗って欲しいんですけど……」
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