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「こうなるとほんっっとタチ悪いんだよ……とりあえずさっさと寝かせないと本当めんどくさいから気をつけて」
「は、はあ……わかった」
「あ、でも」
「でも?」
「ちょおおおおぉぉぉー可愛いから、ちーちゃんたぶん結に惚れ直すよ」
陽翔くんはニヤリと笑って俺を見た。
「つーことで、あとは彼氏さんに任せます。よろしくね。ていうか、こんな状態で返してごめん」
「ううん、大丈夫。連れてきてくれてありがとね」
陽翔くんは「また」と言うと、スーツのネクタイを緩めながら帰って行った。
バタンとドアが閉まった瞬間、バタバタ暴れていた結くんが急に静かになる。
「ゆ……結くん……?」
後ろから抱きかかえたまま声を掛けると、結くんはくるりと俺のほうを向いてガバッと抱きついた。
「ちぃーにゃーん♪たらいまあああぁ~」
え!?さっきまで怒ってたのに急に甘えモード!?
結くんは俺の首に腕を回すとトローンとした目で俺を見上げる。
ほんのり赤いほっぺたと、潤んだその目にズキューンとハートを撃ち抜かれる。
「ちぃにゃん、おれがいなくれ、さびしかった?」
「うん……寂しかったよ」
「おれもさびしかったぁ~」
結くんは今にも泣きそうな声で叫ぶと俺の肩に顔をうずめてスリスリする。
ど……どう、しよ……。
陽翔くんの言うとおり……
ちょおおおおぉぉぉー可愛いんですけど!!!!
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