もうひとりの結くん

16/21
前へ
/82ページ
次へ
「……はにゃ?ちさと、ち、でてる。はなぢー!なんれー?」 「なんでって……結くんがエロいからでしょー!もーっ!」 手で抑えつつティッシュを探す。 「だいじょぶ?」 「だいじょーぶ」 無事ティッシュが見つかったので、急いで鼻に当てる。 ああ、もお、手が血ですごいことに……。洗いに行きたい。 「ちぃにゃん……て……」 「あ、うん。洗いに行ってく……!!??」 全部言い切る前に結くんは、血のついたほうの手を取るとペロリ、と舐めた。 「やーっ!だめ!結くん!それはっ!」 急いで手を引っ込めたが、結くんはまたつかむと自分のほうに引き寄せた。 「だいじょぶ。ちぃにゃんのだから」 「だめだめ!超嬉しいけど大丈夫とかそういう問題じゃないから!衛生的にだめなの!」 マトモに突っ込んで見たが結くんには響かない。 「だいじょーぶだもん。おれが、きれいにしてあげる」 いちばん血がついている人差し指を口にくわえると丁寧に舌で舐めとっていく結くん。 はっきり言って、 エロすぎる。 舐められているところを見ていたら当たり前だけど反応してきて……。 やばい……これだけですでに限界が……! 「だめ……結くん……もうおしまいにして?」 「ふぇ?なんで?」 「ちがうとこが……もう限界って言ってるから」 「ちがうとこ?あ……」 見なくていいから!!ていうか見ないで!!恥ずかしい!! 恥ずかしさに耐えきれず下を向くと、結くんがクスッと笑って顔をのぞきこんだ。 「ちさとぉー、このひとさしゆびと、おんなじことしてあげよっか?」 「え……それって……ちょ……まっ!だめだって結くん!ほんとにほんとに……あっ…んっ……ゆ、くんっ……はぁ…あ!」 もはやすぐそこまで限界が来ていた俺に我慢など出来るわけもなく…… あっという間に、 あちらの世界へ逝かされてしまいました。
/82ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1547人が本棚に入れています
本棚に追加