もうひとりの結くん

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「すごい……ぴかぴか……!」 「結くん、指輪なんて興味ないよなーって分かってたんだけど……どうしても欲しくて」 「でも、なんで……ゆびわ?そつぎょういわい?」 「うん、まあ、それもそうなんだけど……別に理由があって……」 「なに?」 「これからもずっと一緒にいてほしいから……指輪にしたの」 「……え?」 「俺はすごくマイペースだし、わがままだし、甘えん坊で、結くんにはいつも迷惑掛けてばかりだけど、誰よりも結くんを好きな自信はすごくあるの……」 「ちさと?」 「結くん、告白してくれたとき絶対俺が幸せにするって言ってくれたけど、俺はもう幸せだよ?だから今度は、俺が言う番……」 結くんの左手をそっとつかんで口元に引き寄せると、手の甲にチュッと軽くキスをする。 「俺が結くんのことを必ず幸せにします。だから、これからも俺といっしょにいてください」 結くんは少しだけ驚いたような顔をしたが、すぐにフッと笑みをこぼした。 「ちさと……それ……プロポーズ?」 だから俺もフッと微笑んだ。 「ちがうよ。プロポーズはまだまだ先。早く結くんに追いついて、ちゃんとした大人になったら、婚約指輪を持って必ずプロポーズするから……だから、それまで待ってて?」 俺がそう言うと結くんは、ギュッと俺に抱きついた。 「……知里はズルいな」 「結くん……?」 あれ? いつもの結くんに、戻ってる?
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