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「なあ、ラル」 ガイが僕にささやく。 「やっぱおかしいんじゃないか?」 だんだん近づくと、その女性はまだ少女だと分かった。 ある曲がり角の塀の前に立ち尽くし、じっと一点を見つめている。 う~ん。 確かにそうだけど……。 「でも、道聞けるのはこの人しかいないよ? それに、外は危ないから家に帰した方がいいと思う」 「やっぱそうだよな」 そうこうしているうちに、もう少女の眼前まで来ていた。 それでも、少女はこっちに気づかない。 虚ろな目をしていた。 「あの、すみません」 恐る恐る声をかけてみる。 すると少女は虚ろな目のまま、こっちを向いた。 少し間があって、はっと我に返る。 驚いたように瞬きをした。 「あっ、すみません! ぼんやりしていたもので……」 少女は申し訳なさそうに言った。
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