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それにしても、後どれくらい歩けばいいんだろう。
かなり歩いた気がするけど。
今どのあたりにいるのかも分からない。
用事なんて滅多にないセレンス地区の道に僕らが詳しいはずもないし……。
そこで僕は、はっと少し前を歩くガイを見る。
嫌な予感……。
「ねえ、ガイ」
「んー? なんだー?」
声をかけると間延びした返事が返って来る。
「今、トルバード家に向かってるんだよね?」
「そうなんじゃないのか?」
…………。
「そこまでの道知ってる?」
まさかとは思うが一応聞いてみると、
「ラルが知ってるんじゃないのか?」
案の定、ガイは道を知らなかったようだ。
というか、いつ僕が知ってるって言ったんだよ。
沈黙する僕を見て、ガイもようやく事態が分かったようだった。
「え、まさか知らないの……?」
嫌な予感は、的中した。
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