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このまま真っすぐ行けば、セレンス地区から出られるかな。
いや、でもセレンス地区って広いからな。いつ出れるか分からない。
歩いていて気付いたけど、進んでいくにつれて、最初は少し複雑だった道も単純な道になっている。
屋敷の大きさも、大きくなっていってる気がする。
中心に勢力の大きい貴族や商人が集まっているってことかな?
だとしたらトルバード家もこの近くかもしれない。
でも今日はいったん宿に帰ったほうがいいだろうな。
それから地図でちゃんと位置を確認して、できれば明日また来よう。
そうガイに言うと、すぐに賛成してくれた。
「もう疲れたよ。結構歩いたよな?」
「後半分は歩かなきゃいけないだろうけどね」
「半分も!? ほんとかよ……」
思いっきり顔をしかめる。
そんなに歩くのが嫌いか……?
そんなんでよくハンターになれたな。
しかし、ガイは本当に疲れているようで、心なしか少しやつれているようにも見える。
「大丈夫か?」
「え?」
「いや、なんかやつれてるから」
そういうと、ガイは少し驚いたようだったけれど、すぐ、ああ、と納得した声を出した。
「いや、さっき酒屋で急いで料理を食べただろ? それで腹が痛いんだよ、今」
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