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が、またしてもジェイに阻まれ、止められた右腕が震えた。
「・・・ナイス。助かったわ、ジェイ。」
「・・・あっぶねぇ。アンタ、速いね。」
「邪魔や。そっちのに用があるんや。」
じりじりと力の拮抗する二人の間で、噛み付くようなガムの視線を受け止めて、ニノは余裕を崩さない。
「ごめんねぇ、俺イタイの苦手なんだ。」
「そそ。だーから俺と遊んでよ。アンタ、強そうだし。」
「どけ言うとるやろ! お前らジョニーになにしやがった!?」
掴まれた腕を振り払うと同時に、最小の動きで蹴りを繰り出したガムに、精確に対抗するジェイ。
小気味良く連続して響く突打音に、愉しくて仕方がないと言いたげに笑いながら。
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