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ガラッー
「2年D組...か。」
6階建ての校舎の4階の隅にある教室。
今日からこの場所で私の生活が始まるのだ。
クラス替えで仲の良い友達と離れてしまい、テンションがあまり上がらないまま指定された席に座る。
「今日から高2かあ~。」
隣の席にいるボブ頭のメガネちゃんが話しかけてきた。
「ねえねえ!はじめましてだよね?名前、なんていうの?」
「あ、瀬口 菜未(せぐち なみ)。あなたは?」
「菜未ちゃんか!私は橘 織果(たちばな おりか)!よろしくね~」
「みんなー!席についてー!」
織果ちゃんと話をしていると、担任の女の先生がいつの間にか来ていた。
「今日から担任の黒田 絢子(くろた あやこ)です。専門は家庭科。よろしくね~!」
なんと穏やかな人だろう。
その聖母マリアのような笑顔から私はそう思った。
先生の自己紹介が終わると、私たちはすぐ始業式に出るために体育館へと移動した。
「えー。これから始業式をはじめます。まず最初に...」
ここからがめちゃくちゃ長い。
私は半分目を閉じながら校長先生の長い話をきいていた。
「次に、新しく入った先生方の紹介をしたいと思います。」
教頭のそんな言葉で目が覚めた。
やばい...。
かなり寝ちゃった。
そんなことを思いながら、ふと顔を上げた。
「上伽大学文学部英文学科から来ました、沢村一莎(さわむら かずさ)です。担当は英語です。よろしくお願いします!」
なんだ。
新人教師の紹介か。
どうでもよくなり、また目を閉じた。
「菜未ちゃん!」
「....へ?」
織果ちゃんの声で目が覚めた。
「もう始業式終わってるよー(笑)」
どんだけ寝たんだ、私は。
「ごめん。教室戻ろっか?」
私と織果ちゃんは教室へと急いで戻った。
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