神崎隆夫

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警察署に行って捜索願の手続きをした。 氏名、現住所、その人との続柄 性別、生年月日、本籍地 身長、体重 身体的な特徴を聞かれた。 警察官の態度があまりにも事務的だったため、目の前にいる警察官食ってかかってしまった。 俺の動揺を察してくれた、別の警察官が出てきた。 ベテランなのだろう。 白髪で頭は禿げあがっている。年齢も50代後半だろうか。 「あぁ。私の孫と同じ年だ。 こんな時間に帰らないなんて心配ですね。 何かあっては困るので、今手の空いている署員でパトカーで見回りさせますね。」 その一言で俺は、少し気持ちを落ち着かせることができた。 「あ、ありがとうございます。 取り乱してすみません。」 「いえいえ、子供の心配をしな親なんて居ませんから。」 ベテラン警官はニッコリ微笑んだ。
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