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「・・・貴弘、起きている?
母さん、パート行ってくるわね。朝ごはん、またここにおいてあるから。
じゃあ、行ってきます・・・。」
そういって扉も開けず、起きているか確認もせず母さんはその場から立ち去った。
いつものことだ。
朝から、やせ細った母さんの辛気臭い幸薄い顔なんて見たくない。
家から出て行ったことを確認すると、貴弘は扉を開け床に置いてあった食事を持って、また部屋へ戻り扉を閉めた。
おぼんの上に大盛りご飯、豆腐の味噌汁、ホウレン草のおひたし、焼き鮭、ひじきの煮物が置いてある。
「今日も代わり映えしねぇなぁ。」
そういって、味噌汁をすすった。
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