日常

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その言葉には嘘は含まれていない、毛頭リリア様に私の手など必要は無いのでしょうが ですがクロイスは私にそう思わせる程に色々な物を残してくれた かつて暴君とまで呼ばれたリリア様を変え、そして私は…………。いえきっとリリア様に使えるもの全てがクロイスのお陰で変わったリリア様を好きになれた 「おい待てコラ、お前は主より我を守るべきであろう」 「本来ならそうですが、私は自分に嘘がつけない質でして」 「ククッまぁ良いだろう、主は我と同じ位に魔王……我の夫のような物だが我に比べ主は脆い、実に脆いから丁寧に守るんだぞ」 同じ位に魔王、良くわからない言葉ですがきっと私達にとってリリア様と同じ位守るべき物、と言うことですね わかっていた事ですがリリア様はやはり我々同様いやそれ以上にクロイスを大切に思っているんですね そうわかると笑みが溢れずにはいられなかった 「とは言ったもののこれから主が行くのは人間界、か…。」 そこには複雑な感情が入り交じった声が淡く空気と化す 魔族ともなると安易に人間界に入ってしまうだけで殺されかけない、私やリリア様が行けば殺される事はまずない…、ですがすぐに戦争になってしまう危険がありますね それに仕事等の都合も。 「お母さん……おはよー」 二人が悩んでいる最中に消え入りそうな声が王室に響く 身長150cm程の小さな女の子だ、まだ眠いのか綺麗な健康骨辺りまで伸びた赤い髪を揺らしながら目を擦る 「おぉっ起こしてしまったかミラ」 ふぁあぁぁっと大きな欠伸をする彼女はミラ=フェル=クライム=フィラデルフィアだ
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