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すると何もなかった筈が人の形をしたものが浮き出てくる
「ちっダミーか」
その人の形をしたものは土のような物で構成されていてそれは崩れ去る
「狂犬ガウルか」
その声の持ち主は崩れた人形の影から出てくる
黒い髪は肩までかかっており片方の顔が隠れている
目は光を宿すことなくただ物を見るかのように興味が無さそうにガウルを見据える
「久しぶりだなクロイス=フィラデルフィア」
クロイス=フィラデルフィア
世界中の宝を盗み、その過程で人を殺す事で世の中から嫌われている
盗賊同士にすらも恐れられている程残忍で口々にクロイスの事を「呼吸するように人を殺す」と言う
「そっか、うん」
クロイスはガウルを相手にしないかのようにいつの間にか手に握ったナイフに話しかける
ナイフに話しかけているところもそうだがその一つ一つの動作に不気味さを感じる
「なぁクロイスそろそろ決着つけようぜ」
ガウルもいつの間にか杖を握っていた
魔法は杖を媒体にしなければ発動出来ない
簡単に説明すると魔力には文字通りに魔の力が宿っている、その魔の力は少しなら制御する事が出来るっのだが許容量を超えると自分自身に喰らいつく
杖を媒体にする事でその魔の力を抑えると害無く魔法が扱える
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