日常

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時と場所が変わり厨房 「主ぃ~」 「甘えても駄目」 「…………」 「つまみ食いなんてしたら晩御飯無しだからね」 ビクッ 「何故、見てもいないのにわかるのだ?」 クロイスが料理を作っている最中に死角から既に出来た料理をつまみ食いしようとしたのだが振り向きもせずにバレてしまう 「僕は盗賊だよ気配くらいわかるよ………それに元から目は見えてないから余計にね」 最後の方を小さな声で吐き捨てる 残念な事に僕の目はあまり見えていない、文字は文字だとしか捉えられず形が掴めない 全てに霞がかかったようにボヤける 「主ほら」 そう言って渡されたケースを開いてみるとリングが入っていた 「それを左手の薬指、と言いたいが右手の中指にはめてみろ」 言われた通りに指輪をはめてみる、ドクンッと心臓が高鳴り一瞬クラッとする 焦りを感じて外そうとするが全く動かせない。 「どういう事?」 どす黒い殺気を放ちながらリリアに聞いてみる、あり得ないと思いながらも疑わずにはいられなかった 「ぬ、主よ……そんな目で我を見ないでくれ、内心もの凄く傷ついておる……。」 僕はため息を一つ付いた後に無表情に戻る
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