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視点が変わってメリアは―――
メ「…ユキトが言った事が気になって水浴びする余裕が無いんだけど」
幸人に狙われていると言われたメリアはその事に警戒し何も出来ていなかった
メ「はあ…しょうがないから戻…!?」
何かが飛んでくる
それを咄嗟に無詠唱の『アクアウォール』で防ぐ
メ「あいつが言った通りってわけね…」
「その通りさ」
メリアが呟くとどこからともなく声が聞こえてきた
「あの無能達が君に負けたのかと思ったけど…どうやら一見君より弱そうな少年が助けたみたいだから離れるのを待ってたよ。アイスレックス3頭に遭遇した時に一瞬消えたのは驚いたけどね」
聞いてもいないのに喋る声
メ「随分余裕ね…『アクアショット』!」
メリアは声の発生源に攻撃をする。だが
「残念ハズレ。君に当てる事は無理じゃないかな?」
まるで挑発しているかのような口ぶり
メ「そんな事やってみなきゃ分かんないでしょ!『ファイア』!」
メリアは確実に当てる為に3つの火球を全て違う方向へ飛ばす
「そんな適当にやっててもただ魔力を使うだけだよ?魔力が尽きれば抵抗も無いし…楽に殺せるから自由にどうぞ?」
声の主はさも当然であるかのように、喋りだした時から変わらないテンション、口調で
殺人を犯すと言った
メリアは相手が完全に慣れきっている、躊躇無く自分をいつでも殺せる、という事に気付き、恐怖に呑まれかけていた
するとそこへ聞いた事の無い歌が聞き覚えのある声で聞こえてきた
「しっあわっせはー、あーるいーてこーない、だーかーらあーるいーていっくんーだねー、いっちにっちいっぽ、みっかーでさんぽ、さーんぽすっすんでにっほさーがるー」
空気がぶち壊しである
だがメリアはそれに救われた
恐怖はある程度払拭され、助けが来た事での安心
それらのおかげで完全に恐怖は無くなったのだ
「…急になんだ?何かちょっと頭がおかしくなったみたいな…」
その時敵に共感を持ったメリアだった
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