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「美味しい」
「美味しいものがお好きですか? とてもいい表情してます」
二コリと微笑んだその顔は、例え営業用スマイルでも、ときめくものだった。
入って三日目。
これが、もし、入って一年目なら、このバ―、こんなに空いていないはずだと辺りを見渡した。
「彼、いいでしょ? 前に居たバーテンダーが、イマイチでしてね。そのお陰で随分客が遠のきました。彼なら、この先挽回してくれると信じているんですけどね」
マスターらしい老人が、カウンター内から話しかけて来た。
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