-1.白昼夢-

5/9
前へ
/29ページ
次へ
. . 病院を出る頃には辺り一面真っ暗闇だった . 都会のように、光り輝く鬱陶しいネオンは1つも無く . 変わりに眩しい星達が夜空を飾っていた . . 「伝説」を一通り聞き終えた私は . 暗いから早く帰れというおばあちゃんに大人しく従った . . 間を開けてポツポツと立つ街灯を頼りに . 自転車を押してゆっくりと歩いていた . . . 夏の空気は身体に纏わりつくような不快感を与え . 吹く生ぬるい風には、気味悪ささえ感じる . . . . . そんな夏の夜だった . . . . . ふと . . . . 視界の端に . . . . . 人の影を捉えたような気がしたのだ . . . . . .
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加