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あの戦の中、娘を預けたが、行方が解らぬまま、今に至るのだった…。
悲しみを振り払うように、美那がくれた浅葱の組紐を腕に括りつけ、生き残る事を“願”にした。
“答え”など、当の昔に知っている。
これが“負け戦”で、“幕府の終焉”で、“新時代”の序章など…。
もう何年も前から、“仲間達”だけは知っていた。
そんな中で、歯止め役の井上の死が、更に追い討ちをかけた。
知っていたから対立し、袂を別ち、互いの道を選んだ。
浅葱の組紐が切れたのは、年号が“明治”になって二年目の、“五月”だった。
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