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チラッと隣を覗くと、俺と同じ歳くらいの小柄な女子がこっちを見て、にこりと微笑んだ。
「さっきから、誰とお話されてるんですか?」
「すみません……。独り言を言う癖があって」
「……嘘、が下手ですね」
彼女の顔から笑みが消え、眼鏡の奥は冷たい目に変わった。
「何が言いたいんだ、あんた」
「……私もあなたと″同類″ってトコでしょうか」
「"同類"?」
「それでは、ご機嫌よう……」
再び、クスリと笑い、彼女は席を立った。
「待て。……あんた、名前は?」
「また近い内、お会い出来ますよ。自己紹介は、その時にでも」
「これ以上聞くな」と言わんばかりの目に、俺は何も聞けず、彼女が去っていくのを見つめるしか出来なかった。
一方、彼女は……
「鈴音(すずね)さん。彼を近くで見て、どうでした?」
そう話し掛けると、彼女の背後に和服姿の女性が現れた。
「悪くはないけど、イマイチね。一緒に居る奴も無口だし」
「……鈴音さん、好みは聞いてません」
「え?あ、ごめん!……そうね。魔力的には、これからに期待。ただ……」
「ただ?」
「とんでもないモノを体内に飼ってるわよ、彼」
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