第一章 パンドラの箱

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あの日の事を、俺は忘れもしない。 それは、六歳の夏。父方の祖父母の家へ遊びに行った時に起こった。 前々から気になっていた裏山の小さな祠。俺は、一人黙って調べてみる事にしたんだ。 「はぁ……はぁ……」 額の汗を拭いながら、草に覆われた足場の悪い斜面を登っていく。 「……着いた」 ようやく、祠が目の前に姿を現した。俺は、キョロキョロと辺りに人が居ないか確認し、その祠の扉に手を掛けた。 中に何が待っているのか、期待を膨らませながら……。
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