第一章 パンドラの箱

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「先日、とある噂を耳に致して。何でも、その男は天下に目もくれず、"魔物"狩りをしているという……」 「別に、好きで狩っている訳ではない」 ゼンは、政宗に鋭い視線を向け、話始めた。 「信じられぬ事に、この世は魔物で溢れている。だが、それが見える者は数少ない。見える者が排除していかねば、ますます奴等は増えるばかり」 後半は、政宗に向けていた視線を地に落とし、ため息まじりで、ゼンは話した。 「善殿は、普段から魔物が見えるのか?」 「見えますよ。……政宗さんに宿るソレも」 一度は動揺の色を見せた政宗だったが、ガシャガシャと鎧を鳴らし、豪快に笑いだした。 「ハハハッ!善殿は、噂以上の使い手のようだ!今までと違い、これは期待出来るな」
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