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目の前を流れる小川に、近くに生えている笹の葉が舞い落ちていく。
ゆらゆらと流れるそれが、二人の所に達した時、政宗が口を開いた。
「見えているなら、話は早い。一刻も早く、コイツをどうにかしたいのじゃ。……力を貸してくださらぬか?」
「……しかし、それでは」
「覚悟は既に出来ている。……小十郎」
そう政宗に呼ばれ、草むらの影から現れたのは、片倉小十郎。
「お呼びですか、政宗様」
小十郎の元へと政宗は近づき、そっと肩に手を置き、ゼンに視線を向けた。
「善殿。この小十郎が、無き"右目"の代役となる。それで問題なかろう?」
小十郎は、目を目一杯見開き、政宗を見上げた。
「な、何を言ってるんですか!?」
「小十郎、これしか方法はないのだ。この右目、あっても不幸しか生み出さぬ。ならば……」
「……分かりました。あなた様の右目に、小十郎はなりましょう」
涙を流しながら、小十郎は承諾した。ゼンも、そんな二人を見て、政宗からの依頼を引き受ける事にした。
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