第一章 パンドラの箱

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「中に何が入ってるか分かったし、帰ろっと」 クルッと体を回転し、祠に背を向けた次の瞬間。 ザワッ……ザワッ……ザワッ…… 静かだった森がざわめき始め、冷たい空気が、俺の背中を次から次へとタッチしていく。 違う意味の汗が、どんどん吹き出して止まらない。これが″恐怖″というモノなのだろうか……。 風の音と一緒に、今度は鈴の音が遠くの方で微かに聞こえ始めた。 リーン……リーン……リーン…… だが、その音は次第に大きさを増していく。もう怖くて、怖くて……。俺は耳を塞いだ。
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