第一章 パンドラの箱

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「おい、晴(はる)。聞いているのか?」 それからと言うもの、目に見えないコイツに俺は付きまとわれている。 出会って間もなかった小学生の頃は、みんなの前でコイツと話してしまい、変人扱いされ、いじめられた。 「おい、晴!」 「うっさい。聞いてる」 「……お主、忘れた訳ではあるまいな」 「大丈夫。……ちゃんと覚えてるよ」 コイツと出会ってから、今年で十年目。その節目を迎えるにあたって、俺にはやらなければならない事がある。 それは…… 「"印"の石を探すって約束」 「約束ではない。これは、お前の使命だ。さすれば、封印されし"赤目"も解かれよう」 嬉しそうに言うが、コイツは何を企んでいるんだ?長年、一緒に居るからか、そういう事まで声を聞いただけで分かるようになった。 ところで、"赤目(レッドアイ)"って何だ?
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