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正直に言うと、不安だった。
女の私が、兵士としてやっていけるのか。バレずにいられるのか。あの時、村に残ったほうがよかったんじゃないのか。どのみち私はもう、村には戻れないだろう。
目頭が熱くなった。
私は慌てて空を仰いだ。
『自分で決めたことなんだ。やり抜くしかない。それに、兄さんがいる。クリアもいる。これからもっと、仲間は増えるだろうし。』
そう自分に言い聞かせて、私は前を向いた。すでに兄さんとクリアは前を歩いていた。
「ナシャ、早く来いよ!」
クリアが王宮にも関わらず、大声で叫んでいる。
行くしかない。
私は、覚悟を決めた。
―男になることを。―
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