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私たちは、王様の前に通された。
「よく来てくれた。騎士たち。そなたたちは、兵士ではなく、わしが直々に選び抜いた、いわば精鋭たちだ。騎士として、今後、起こりうる戦いに備えてほしい。」
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部屋に戻る途中、クリアが話しかけてきた。
「俺たち、期待されてるんだな。まさか扱いが騎士だなんて。しかも王様直々のご指名だなんてよ。光景なんだな。」
「ただ呼ばれたわけじゃ、ないんだな。びっくりしたよ。」
そんな会話をしながら、さっきの部屋まで戻ると、数人の侍女が待っていた。
「お待ちしておりました。今から、部屋に案内させていただきます。なお、部屋は1人ずつになりますので、ご理解ください。」
個室だとわかった私は、胸をなでおろした。個室なら、少なくともバレる確率は低くなる。
「よかったな。個室で。」
兄さんが耳打ちしてきた。私は
黙って頷いた。
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「ここがナシャ様のお部屋にございます。何かありましたら、このベルを鳴らしてください。それでは。」
侍女は優雅にお辞儀をすると、静かに部屋から出ていった。
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