始まり

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――――――――――――――― 私たちは、王様の前に通された。 「よく来てくれた。騎士たち。そなたたちは、兵士ではなく、わしが直々に選び抜いた、いわば精鋭たちだ。騎士として、今後、起こりうる戦いに備えてほしい。」 ――――――――――――――― 部屋に戻る途中、クリアが話しかけてきた。 「俺たち、期待されてるんだな。まさか扱いが騎士だなんて。しかも王様直々のご指名だなんてよ。光景なんだな。」 「ただ呼ばれたわけじゃ、ないんだな。びっくりしたよ。」 そんな会話をしながら、さっきの部屋まで戻ると、数人の侍女が待っていた。 「お待ちしておりました。今から、部屋に案内させていただきます。なお、部屋は1人ずつになりますので、ご理解ください。」 個室だとわかった私は、胸をなでおろした。個室なら、少なくともバレる確率は低くなる。 「よかったな。個室で。」 兄さんが耳打ちしてきた。私は 黙って頷いた。 ―――――――――――――― 「ここがナシャ様のお部屋にございます。何かありましたら、このベルを鳴らしてください。それでは。」 侍女は優雅にお辞儀をすると、静かに部屋から出ていった。
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