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城内をフラフラしていると、バルコニーに人影を見つけた。
恐る恐るバルコニーに向かうと、1人の少女が、月明かりに照らされていた。端正な顔立ちに、ゆるく癖のついた髪がよく似合っていた。
『確か…王様には、王女様がいらしたはず。』
「どなた?」
「あ…。」
バレていたらしい。王女様は気品のある動作でこちらを振り返った。
私よりも年下であろう。しかし、気品に満ちた、まさに一国の王女だった。
『見慣れないお顔ですね。もしかして、騎士様ですか?」
「はい。名をナシャといいます。」
私は王女様の前に行き、膝まずいた。
「お立ちください、ナシャ様。私は第二王女の、ルビーといいます。」
言われた通りに立ち上がると、彼女は予想以上に小さかった。
「ナシャ様…。すごく美しい方なのですね。月明かりに照らされて…。その紅の御髪が、私の名であるルビーのように、輝いておりますわ…。」
「光栄でございます、王女様。」
「王女様だなんて…。ルビーで構いません。見たところ、年も近いようですし。ナシャはいくつになるの?」
「16にございます。」
「あら、近いですね。私は14になったばかりなのです。」
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