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『なんでこうも、年齢をつかめない人たちばかりなんだろう…』
そう私は思った。ルビー様やクリア、さらにルイ。みんなそうだ。
「わかりました。ルビー様と呼ばせていただきます。」
「ありがとう。それで、ナシャはどうしてバルコニーへ?」
「慣れない環境に落ち着かなくて、散歩してたところ、バルコニーに人影を見つけたので…。」
「まぁ、なるほど。このバルコニーは私のお気に入りの場所でね。星や月がとてもキレイでしょ?」
「はい。ですがルビー様、あまりお体を冷やさないほうがよろしいかと。もう今日は遅いですし、お部屋にお戻りになられたほうが…。」
「ふふっ。ナシャはまるで、姉様のようですわ。とても気がきく方なのですね。女子が放っておかないでしょうね。ナシャのおっしゃる通り、今日はもうお部屋に戻りますわ。」
「でしたら、お送りいたします。」
「大丈夫よ。ただ、1つお願いが。またこうやって、おしゃべりしてくれる?」
「もちろんでございます。」
「ありがとう。では、ナシャ。おやすみなさい。」
「はい、おやすみなさいませ。ルビー様。」
ルビー様はにっこり微笑んで一礼すると、静かにバルコニーを去っていった。
14歳とは思えない、大人びた雰囲気のルビー様に、私はすっかり惹かれてしまった。それと同時に、少しだけ違和感も覚えた。
もう一度、私は空を仰いだ。戦乱のさなかとは思えないほど
夜空は輝いていた。
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