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「その者、紅の髪をなびかせ、蒼き衣を纏いて、真実の剣を振るいこの国を救う」 そんな言い伝えが、私の村にあった。 「ナシャ、ここに居たんだ。」 「兄さん。どうしたの?」 「まったく…。また剣術の練習かい?強いことは良いことだが、お前も年頃なんだから、ちっとは女らしくしろよな。」 「女らしくするよりも、剣を振るっていたほうが楽しいのよ。」 「お前ももう16になったんだからそろそろ結婚とか、考えてみたらどうだ?」 「嫌よ。結婚はまだ早いわ。それに16になったら結婚するなんて、今時、時代遅れよ。」 あたしはナシャ。ユパネス王国の東に位置するフランという小さな村に住んでいる。
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