2人が本棚に入れています
本棚に追加
ピピピッ…
小鳥のさえずりが聞こえる。
だが、あまりの心地よさに、私は起きることができなかった。
「ナシャ様、ナシャ様。朝にございます。起きてくださいませ。」
「んー…。!?」
聞き慣れない声に、私は飛び起きた。
「おはようございます。本日より、ナシャ様にお仕えする、侍女のアリスと申します。」
「ああ、なんだ。びっくりした。よろしくな。」
アリスは20代前半ぐらいのかわいらしい、少し童顔な女性だ。
「ナシャ様。ほかの騎士様方がお待ちですので、広間へどうぞ。」
「え?」
―――――――――――――――
「お、ナシャ!おはよう。」
広間に入るなり、クリアが声をかけてきた。
「おはよう、クリア。」
「ナシャ、紹介するよ。俺と同じ村出身の、ダリーだ。」
そう言うとクリアは、1人の少年を連れてきた。
「はじめまして。ダリーです。」
珍しい黒髪を後ろで束ね、端正な顔立ちの少年だった。
「はじめまして。ナシャです。」
「俺も、同じ16だから。敬語は無しで。」
そう言ってダリーは、手を出してきた。私はその手を握った。大きくて、少しゴツゴツしていた。
最初のコメントを投稿しよう!