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「ったく…。お前がうらやましいよ。ほら、とりあえず今日は帰るぞ。父さんが呼んでるんだ。」 あたしには、二つ年上の兄、スピアーがいる。勉学、剣術に長けていて、正直この村にいるのがもったいないくらいすごい剣士だ。 「お父さんが?なんだろう。」 ――――――――――――――― 「すまないね、急に呼び出したりして。大切な話があるんだ。」 「かまわないよ、父さん。それで話ってのは…?」 「実は、昨日王宮から使いの者がやってきてだな。」 「王宮から使い!?兄さん、あたしたち何か、悪いことでもした?」 「落ち着け、ナシャ。それで父さん、王宮の使いの者は何の用でうちに来たんだ?」 「それがな…。お前たち二人を兵士として王宮に迎えたいと言うんだ。」 「兵士として…?ちょっと待ってお父さん。兄さんはまだしも… どうしてあたしも王宮に呼ばれてるの?」 「それがな…、王宮や城下町ではスピアーとナシャという強い男が、この村にいると話題になっているらしく、それを聞いた王様がぜひ、王国の兵士として力を借りたいと言ったらしい。」
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