仕事女

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あっという間に定時を迎えた。 平日の何倍ものスピードで仕事がはかどったような気がする。 特に私は、平日には来客対応で席を外すことが多く、社長や役員宛の電話も私が応対するから、経理の仕事は頻繁に中断されてしまう。 休出はそれがないからすこぶる順調に仕事がはかどった。 「今日はここまでにしよう。決算の報告にも十分間に合いそうだ。」 部長が私たちの席まで来て言う。 「わかりました。」 私たちは帰り支度を始めた。 「室井さん。夕飯よければ、どう?」 パソコンの電源を切りながら、池口さんからの思わぬ誘いだった。 度々、池口さんから誘われることはあるけれど、いつも平日の残業後なので、断ってしまう。 自宅でゆっくりご飯を食べることが私の最大の癒しなのだ。 でも、今日は定時。 今週、残業ばっかりだったし、自分へのご褒美に美味しいものもいいかもしれない。 「そうですね。行きましょうか!」 私は誘いを受けることにした。 久しぶりの外食に浮かれて、何を食べようかと考え始めた時だった。
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