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テーブルに料理が並ぶと、私は目を見開いた。
「わぁー!きれー!」
「なんだろ、これー!?」
「お皿もステキー!」
「おいしー!」
「アツアツー!」
「とろけるー!」
「ンハハッ。室井さん。興奮しすぎ。」
池口さんが笑いながら呆れるように言う。
部長も声を出さずに笑っている。
「室井君も、そんな風にはしゃぐんだな。」
部長が笑いながら言う。
今日の部長はよく笑うなぁ…。
「そうなんですよ、部長。室井さんて、こんなイメージないですけど、美味しいもの与えるといつもこうなんですよ。」
え!?
いつも!?
「…いつも?」
…え?
そう言ったのは私じゃなくて、
部長。
しかも、いつも以上に声が低い。
そんな部長になぜか私が慌ててしまう。
「…い、池口さん、ひどいです。私が食べ物で豹変するみたいに…」
「豹変するじゃん。この前だって、お土産にあげたチョコレート、はしゃいで食べてたじゃん。」
うーん…はしゃいでたかなぁ…?
でも、あのチョコレートは美味しかった。
その時のことを思い出しながら、ふと部長を見る。
…え…?
部長の眉間に…
一瞬、皺が見えた。
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