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私は二三歩遅れて部長を追う。
「大丈夫か?」
「もう少しだ。」
会話は少ないけれど、何度か部長が振り返って、私を気にかけてくれているのがわかった。
歩くスピードもヒールの私に合わせてくれているのだろう。
部長はそんな気配りが出来る人。
…と、私はそこで重要なことを思い出した。
「部長!携帯は!?先に取りに行った方がいいんじゃないですか!?」
私の声は思わず大きくなってしまったけれど、部長は落ち着きはらって言った。
「ああ、俺の勘違いだった。」
部長アは上着の内ポケットから携帯を取り出した。
…なんだ、よかった…。
私はお花見が中止にならなかったことに安堵した。
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