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「ちょっと、甲。あなた、まさかとは思うけど・・・。」
「ごちそうさまでした。鈴仙、悪いけど食器の後片付け頼んだ。俺は少し出かけて来る。」
「わ、分かりました・・・。」
急いで朝食を済ませ、出かけるのに必要な物で足りない物はないかを確認する。
スペカは上着のポケットの中に入っているし、もしも怪我した時の為の小さめのガーゼと包帯もある。
よし、後は出発するだけだ。
「あら、本当に行く気らしいわね。」
「止めないのか?」
「そんなことしないわよ。ただ、行くのなら大怪我したのが理由で患者として戻ってくるのだけはやめてちょうだい。」
「了解。」
永淋達のことだろうから、てっきり俺には危ないとか危険過ぎるとか言って、行かせてくれないと思っていたんだけど・・・。
それどころか気遣ってくれる言葉をかけてくれるなんて、もっと予想していなかった。
「意外そうな顔をしてるけど、今の甲は一年前とは比べものにならないくらい強いわよ。鈴仙との模擬戦でも最近は勝ち数の方が多いし、私達相手でも充分通用するだけの実力はあるはずよ。」
「そこまで言ってくれたら、無事に帰ってくるしかなくなったな・・・。まあ、自信は付いたけどさ。」
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