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なんという緊張感の無さ・・・。
この小神霊が危険なものかもしれないと少しは思ったりしないのだろうか?
俺自身も小神霊は欲が具現化したものとしか聞かされてないし、危険性があるか無いかまでは知らない。
でもちょっとくらいは疑ったりするだろう、普通。
「これも幻想郷らしいと言えば、そうなのかもしれないけど・・・。」
独り言を呟いてから、再び命蓮寺に向かってスピードを上げる。
人里を抜けて少し進むと、開けた場所に大きなお寺・・・・・・つまり目的地である命蓮寺にたどり着いた。
今までは遠くから見ていただけで、実際にこうして目の前まで来た事はなかったが、近くで見ても立派な佇まいはそのままだ。
人里の人間からの評判は良いし、妖怪からも慕われているお寺だと聞いていたが、今はこの異変のせいなのか人の姿は見受けられない。
妖怪からの信仰があるのは、この寺を仕切ってる僧侶が人間だけではなくて妖怪にも門を開いている上に、ゴッドマザー的な懐の深さを持ち合わせているかららしい。
そりゃ、妖怪達も慕いたくもなる。
一度会ってみたいけど、今は少しでも時間が惜しいし、早く墓地に行かなければならない。
・・・・・・そういえば、墓地って命蓮寺の何処にあるのだろうか?
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