貴を以て和を為せ

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とりあえず小神霊の向かう先に合わせて移動してみる。 そういえば、永遠亭よりお寺の中の方が小神霊の集まってる数が多くなっている。 小神霊に導かれるまましばらく進んでいると、目の前に箒を持った女の子・・・・・・と言うより妖怪が境内を掃除していた。 掃除をしているって事は、お寺に住んでいると考えても良いだろう。 「ぎゃーてー、ぎゃーてー♪」 掃除してるけど、良く聞くとお経らしき言葉を喋っている。 小神霊に付いて行くよりも、あの子に墓地までの道案内を頼んだ方が早く移動できるだろう。 そう思って近付くと、向こうもこちらに気が付いたのか、掃除の手を止めて挨拶してきた。 「おはようございます!朝昼晩、挨拶はしっかりとしましょう!」 「えっと・・・おはようございます。」 予想以上に勢いとテンションが高く、一瞬戸惑った。 朝からそんなにテンション高くて、夜まで持つのだろうかと心配になる。 「命蓮寺の戒律の一つ、『挨拶は心のオアシス』!さあもう一度、おはようございます!」 「いやいや。いい心掛けだと思うけど、挨拶は一回で充分だから。」 これはボケてるのだろうか、それとも素なのだろうか? 挨拶が大事なのは伝わったのは確かだけど・・・。
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