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あら不思議、襖越しにも部屋の中がどうなっているのか大まかな想像ができてしまう・・・。
このまま突っ立てる訳にもいかないし、とりあえず部屋の中に入るか。
そう思い襖を開けて最初に飛び込んできたのは、掛け布団を引きずり、時折悲鳴を上げながら部屋の中を逃げ惑っている少女の姿だった。
部屋の中に入ってしばらくその様子を眺めていると、慌てていた少女はようやく俺の存在に気付いたらしく、そのままこっちに猛ダッシュして抱き着いてきた。
「コゥ~!うぅ、うわ~ん!どうしてゆうれいがぁ・・・。わたじ・・・ごはん残さずに・・・ひっく・・・・・・食べだのにぃ・・・!」
「あ~、分かった分かった。もう大丈夫たから。だから泣くなクゥ。」
今俺に抱き着きながら泣きじゃくっている少女の名前は如月空(きさらぎ くう)。
通称クゥ。
と言っても、この呼び方をしているのは俺しかいないんだけど。
いつもなら、セミロングよりちょっと長めの毛先が少しウェーブがかかっている綺麗な茶髪を、星の飾りが付いた淡いピンク色のリボンで結んでいるのだが、寝起きの今は下ろしたままだ。
子供の頃にもったいないお化けに会ったらしく、それ以来幽霊が大の苦手になってしまたという・・・・・・ちょっとアホの子である。
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