貴を以て和を為せ

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「・・・ほ、ほんとう?これってゆうれいじゃない?」 「本当に本当だ。詳しく正体は俺にも分からないけど、幽霊じゃないのだけは確かだから。」 「・・・・・うん。・・・わかった。」 どうやら納得してくれたらしい。 それから少しの間、隣で頭を撫でてやったりしながらクゥが落ち着くのを待った。 いきなり部屋を出ていって、一人で不安にさせる訳にもいかないし、何よりも今のクゥは精神的に不安定だ。 しばらくして、いつもの落ち着きを取り戻したクゥの表情にはさっきまでの不安の色はなく、どうやらもう大丈夫のようだ。 「ありがとう、コゥ。・・・それにしても何なんだろうねこの光。早く永淋さん達に聞きに行こうよ。」 「その前にまずはお互い着替えるのが先だな。・・・・・・特にクゥは、浴衣崩れてるから・・・・その、早めにしたほうが良いと思う。」 クゥは言われた意味がよく分かっていないのか、さっきの掛け布団をチラッとめくり、そしてようやく俺の言葉の意味を理解したらしい。 ・・・・・・いやさ、気付くの遅すぎだから。 まあ、さっきまでの幽霊の事で気が動転していたのは理解できるけど、その後に落ち着きを取り戻してから今までにそれなりの時間はあった。 普通なら気付く。 そしてそれに気付かないのがクゥという人間なのだ。
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