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その後お互いに着替えを済ませ、クゥは朝食の準備、俺は居間でその朝食を待ちながらこの光について考えていた。
光は現れたと思ったら、短い時間ですぐに消えてしまい、現れては消え現れては消えを繰り返していた。
もう少しで幻想郷で暮らしはじめて一年近く経つが、こんな現象を見た事は一度もなかった。
年に一回の頻度で起こるようなものではないのかもしれないだけで、稀にこういう現象が発生したりするのだろうか?
う~ん・・・・・・さっぱり分からん。
心当たりもなく、部屋をふよふよと飛んでいる光の謎がさらに深まっただけだった。
すると、襖が開いて誰かが部屋に入って来た。
目を向けると、永淋が特に慌てた様子も見せずにいつも食事をする時の定位置まで移動して腰を下ろした。
グッドタイミング、永淋。
こういう俺達には良く分からない事が起こった時は、永遠亭の最年長者で月の頭脳と呼ばれたこの人に聞くのが一番だと相場が決まっている。
「なぁ、永淋。このさっきから消えたり現れたりしてる光の正体って何なんだ?起きた時から気になってたんだけどさ。」
「これは小神霊よ。簡単に言えば人間の欲が具現化したものね。希薄な存在だから具現してもすぐに消えてしまうのだけどね。」
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