貴を以て和を為せ

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やっぱり・・・。 こいつら、何処か同じ方向を目指して動いている。 この方角って、確か人里とかがある方角と大体一緒だし、こいつらはその周辺の何処かに向かっているって事になるのか? ・・・・・・気になる。 初めて体験する異変だからだろうか、無性に好奇心を掻き立てられる。 小神"霊"って言うくらいだし、永淋から話を聞いた時は冥界絡みの異変かと思っていたけれど、どうやらこの異変はそうではないらしい。 俺が一人思考を巡らせている内に鈴仙や輝夜達も集まり、いつの間にか朝食も配られていた。 程なくしてみんな朝食を食べはじめるが、みんな焦ったり驚いたりした様子も見当たらない。 もはや小神霊が空気同然の扱いを受けている。 「そういえば、そもそも神霊ってどういう存在なんだ?」 「神霊って言うのは、神様になった亡霊の事よ。一般的には神社に祭られている存在がそれに該当するわ。亡霊と言ってもその力は信仰の力に比例するから、基本は他力本願な存在よ。」 「なるほど・・・・・・って、待てよ。今亡霊って言わなかったか?」 マズい。 これは・・・非常に嫌な予感がする。 人間良い予感は当たらなくても、嫌な予感は良く当たるものなのだ。
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