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まず、問おう。
猫又という生き物を知ってるだろうか?
いや、別に知らなくてもいい。
猫又。
二つの尾を持った猫の妖怪の事を言うらしい。
年老いた猫がこの猫又になるらしい。
言い伝えでは人を食べるらしい。
記録があるだけで本当かどうかはわからないので“らしい”という言葉を使わせてもらおう。
人間に友好的ではないだろうこの猫又。
猫という字が使われるが、あの猫とはかけ離れている存在なのだろう。
では……
目の前にいる猫又であろう者に会ってしまった俺は食べられてしまうのだろうか。
これは問いではない。
命乞いである。
助けてもらいたい。
「……にゃー」
その者は猫の声で鳴いた。
人間の形をしているのに猫の声で鳴いた。
「お前……」
「にゃー!」
「のわぁ!」
その者は、動くことが出来ない俺に飛びついてきた。
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