一章 ギルドの世界

11/19
前へ
/438ページ
次へ
「痛っ!何すんだコラ!」 左側門番はやっと反応した。 「お前ってのは本当に器用だな。 立ったまま寝てるし、おまけに目は開いたままだし」 「し、失敬な!俺は断じて寝てなどいないぞ! ただ、そのー、…空にガン飛ばすのに集中しててお前の声が聞こえなかっただけだ!」 左側門番は苦し紛れの言い訳をする。空にガン飛ばしてどうする? 「…もういい。この少年がギルドに入りたいそうだ」 「…君、今何歳?」 「17です」 「…若すぎると思う。よって却下」 シャルトは思いっきりため息をついた。 絶対寝てたな、このおっさん。 「それはさっき聞いたぞ。それをふまえた上でお前に話しかけたんだ。 年齢制限はない、それに実力主義!そうだろう?」 「あー、はいはい、なるほどね」 左側門番がようやく話の流れに追いついた。 「で、どうするかと訊いている」 「…いいんじゃない、別に。やっても」 「そうだよなあ」 一体何をやるっていうんだ。 「やってもいいって。その為の俺らだろ?」 「…確かにそうだな。よし。少年!」 門番×2は話がまとまったらしく、シャルトに話しかけた。
/438ページ

最初のコメントを投稿しよう!

201人が本棚に入れています
本棚に追加