一章 ギルドの世界

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「でも、その…」 「…はっきり言ってくれ。その方が傷つかない」 「はい。雑魚とはいえ、このギルドの一員ということもある。 それなりの実力はあるんですよね?」 「もちろんだ!このギルドの下っ端ってだけだ! ちゃんとマスターに認められてるんだ!舐めてかかるなよ!」 再び左側が偉そうに宣言する。 「勝負の場はすぐそこだ」 右側が歩き出したので、シャルトはそれについて歩く。 置いて行くな、と左側も駆けてきた。 「ルールは簡単。君が我ら二人を倒せば、ギルドの建物に入る許可を出す。 君が負けたら、大人しく他をあたりたまえ」 庭のようなところでルールを説明された。確かに簡単だが… 「建物に入る許可を出す…って、勝ったらギルドに加入できるわけじゃないんですか?」 なんとなく解ってはいたが、一応質問してみる。 「あたりまえだ。決定を下すのはマスターだからな」 「ですよね…」 ちょっとため息をつく。 「…ここで落ち込んでても仕方ねえか。こっちは妹と一緒に暮らす為に、 負ける訳にはいかねぇんだ。加減はしません。そっちも全力でお願いします」 シャルトは暗い気持ちを吹っ切ると、左手で剣を抜いた。 それを認めると、左側門番も剣を抜いた。右側は後方に下がった。 攻撃と後方援護、か…。 『いざ、尋常に勝負!』
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