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「でも、その…」
「…はっきり言ってくれ。その方が傷つかない」
「はい。雑魚とはいえ、このギルドの一員ということもある。
それなりの実力はあるんですよね?」
「もちろんだ!このギルドの下っ端ってだけだ!
ちゃんとマスターに認められてるんだ!舐めてかかるなよ!」
再び左側が偉そうに宣言する。
「勝負の場はすぐそこだ」
右側が歩き出したので、シャルトはそれについて歩く。
置いて行くな、と左側も駆けてきた。
「ルールは簡単。君が我ら二人を倒せば、ギルドの建物に入る許可を出す。
君が負けたら、大人しく他をあたりたまえ」
庭のようなところでルールを説明された。確かに簡単だが…
「建物に入る許可を出す…って、勝ったらギルドに加入できるわけじゃないんですか?」
なんとなく解ってはいたが、一応質問してみる。
「あたりまえだ。決定を下すのはマスターだからな」
「ですよね…」
ちょっとため息をつく。
「…ここで落ち込んでても仕方ねえか。こっちは妹と一緒に暮らす為に、
負ける訳にはいかねぇんだ。加減はしません。そっちも全力でお願いします」
シャルトは暗い気持ちを吹っ切ると、左手で剣を抜いた。
それを認めると、左側門番も剣を抜いた。右側は後方に下がった。
攻撃と後方援護、か…。
『いざ、尋常に勝負!』
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