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右側門番が術の詠唱に入る。
それを妨害させまいと、左側門番が斬りかかってくる。
「おりゃあッ!」
大上段からの一撃を、シャルトは受け止めた。
最初は拮抗していた力だったが、徐々にシャルトが押し始める。
「う…らァッ!」
シャルトは左側を押しのけると、剣を構え直す。
雑魚とはいえそこまで雑魚ではないという予測は当たっていた。
ふと、右側が詠唱をしていたことを思い出して、そちらに目をやると、
既に詠唱は終わっていた。
「フォルドダウン!」
「…!?左腕が…重い!」
フォルドダウン。相手の攻撃力を下げる魔法。
「左利きなのは見て解る。さあ、そこからどうする?」
「…くははっ!舐めんなァ!」
シャルトは重い左腕を上に上げ、剣を投げた。
剣は宙をくるくると廻り、シャルトの右腕がキャッチした。
「残念、主は左だけど両利きなんでね!」
二人の動きが一瞬止まった隙に、シャルトは走り出していた。
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