一章 ギルドの世界

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右側門番が術の詠唱に入る。 それを妨害させまいと、左側門番が斬りかかってくる。 「おりゃあッ!」 大上段からの一撃を、シャルトは受け止めた。 最初は拮抗していた力だったが、徐々にシャルトが押し始める。 「う…らァッ!」 シャルトは左側を押しのけると、剣を構え直す。 雑魚とはいえそこまで雑魚ではないという予測は当たっていた。 ふと、右側が詠唱をしていたことを思い出して、そちらに目をやると、 既に詠唱は終わっていた。 「フォルドダウン!」 「…!?左腕が…重い!」 フォルドダウン。相手の攻撃力を下げる魔法。 「左利きなのは見て解る。さあ、そこからどうする?」 「…くははっ!舐めんなァ!」 シャルトは重い左腕を上に上げ、剣を投げた。 剣は宙をくるくると廻り、シャルトの右腕がキャッチした。 「残念、主は左だけど両利きなんでね!」 二人の動きが一瞬止まった隙に、シャルトは走り出していた。
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