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向かう先は右側門番。
右腕にフォルドダウンをかけられたら厄介だ。
「な、何だこいつ、動きが速い!」
左側が、目の前からシャルトが居なくなったことに気付いて、
シャルトを目で追う。
既にシャルトは右側門番の目の前にいた。
「月襲剣!」
「ぐあぁッ!」
下段から切り上げる攻撃に、右側門番は倒れた。
それと同時に、シャルトの左腕の重みがなくなった。
こういう魔法は、術者が戦闘不能になると効果がなくなるのだ。
「まずは一人」
シャルトは左側に向き直り、剣を左手に持ちかえた。
「嘘だー!回復役いねーじゃん!」
「あー、死んでないですよ?」
「当たり前だー!でも戦闘不能だろー!?今戦えないと駄目じゃん!ダメダメ!」
嘘だあぁ、と左側は現実逃避をしている。
おそらく、自分が相手している間に右側が術をかけ、攻撃力が下がっている間に
トドメを刺す、というのが今までの戦闘スタイルだったのだろう。
シャルトが右側を倒したことで、そのスタイルが崩れたというところだろう。
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