一章 ギルドの世界

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「うだうだしてっと今すぐ倒すぞ」 「嫌だ!」 シャルトが声低く脅すと、左側門番が我に返った。 「これで一対一だ。正々堂々と決着つけよーぜ?」 「ミービスの敵は相棒の俺、タウトスが討つ! …てゆーかお前!さっきまでの敬語はどこいった!」 「どっかいった」 キイィ、と左側?タウトスがイライラしだした。 「面倒くさい!ああ面倒くさい!お前なんかぜってーギルドに入れねえからな!」 剣を持っていない左手で、タウトスがシャルトを指差して宣言する。 「ぜってー嫌だ。妹を迎えに行くんだからな。あんたなんかソッコーで倒してやる!」 「シスコン野郎め!ここでくたばれ!」 二人は向かい合い、距離を詰めに走り出した。 激しく打ち合い、最初に技を出したのはタウトスだった。 一歩後ろに下がり、技を繰り出す。 「衝波!」 衝撃波を発生させる技だ。だいたいは少し離れた敵に対して使うのだが、 タウトスが至近距離で使った為に、シャルトはあまりまともな 防御態勢が取れなかった。 「っ痛ぇ…」 「ははは!潔く負けを認めやがれ!」 「はぁ?この程度で負けとか意味わかんないんですケド 負けを認めるのは…そっちだ!連撃衝波!」 衝波の強化版、二連続で衝撃波を出す技。 「痛い!でもこれしきで負けな…は!?」
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