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まだ尋ねていないギルドはあとひとつだけだった。
「聖十字の望み(アルヴァンスドレイス)」
この町で一番強大どころではない。このファンス地方一のギルドだ。
かなりの功績をあげているため、そろそろ
国の中で強いギルドに数えられていいところだ。
「後回しにしてたんだがなぁ…」
どうせ行っても断られるだけだ、と最後にしていたのだ。
「…当たって砕け散りに行くか。しゃーねえ」
シャルトは聖十字の望みまで歩いて行った。
腰に下げた剣の鞘に触れる。
…腕は確かなんだ。実力主義の聖十字の望みなら、入れてくれるかもしれない。
微かな希望を胸に、ギルドを目指す。
もう入れるギルドはないなら、町を出るしかない。
そこまでして、シャルトにはギルドに入りたい理由があった。
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