一章 ギルドの世界

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まだ尋ねていないギルドはあとひとつだけだった。 「聖十字の望み(アルヴァンスドレイス)」 この町で一番強大どころではない。このファンス地方一のギルドだ。 かなりの功績をあげているため、そろそろ 国の中で強いギルドに数えられていいところだ。 「後回しにしてたんだがなぁ…」 どうせ行っても断られるだけだ、と最後にしていたのだ。 「…当たって砕け散りに行くか。しゃーねえ」 シャルトは聖十字の望みまで歩いて行った。 腰に下げた剣の鞘に触れる。 …腕は確かなんだ。実力主義の聖十字の望みなら、入れてくれるかもしれない。 微かな希望を胸に、ギルドを目指す。 もう入れるギルドはないなら、町を出るしかない。 そこまでして、シャルトにはギルドに入りたい理由があった。
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