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シャルトに親はいない。
シャルトの故郷は、ここから遠く離れた町パリーマという町だった。
そこで、両親は死んだ。
シャルトの目の前で殺された。
町は壊滅し、彼はこの町カレントに移住したのだ。
彼はパリーマの、二人の生き残りの一人だ。
パリーマは、突如現れた一人の男に襲われた。
たった一人で、町ひとつ潰した。
『制裁だ。この町は罪人を匿った。
よってこの町を裁く』
シャルトは男の行っていたことが理解できなかった。
罪人?何の話だ。
だが、男は町人の言葉を聞かず、殺戮を始めた。
シャルトは両親と共に逃げていたのだが…
『シャルト、お前は逃げるんだ。生き伸びろ』
『元気で…。いつかきっと、また逢えるわ…』
背後に迫った殺人鬼からシャルト達をかばって殺された。
シャルトの耳には、両親の断末魔の悲鳴がまだ残っている。
シャルトは泣きながら、叫びながら、妹をつれて町から脱出した。
二人の生き残りのもう一人は、シャルトの妹だ。
今、遠く離れた島の教会で暮らしている。
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