一章 ギルドの世界

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シャルトに親はいない。 シャルトの故郷は、ここから遠く離れた町パリーマという町だった。 そこで、両親は死んだ。 シャルトの目の前で殺された。 町は壊滅し、彼はこの町カレントに移住したのだ。 彼はパリーマの、二人の生き残りの一人だ。 パリーマは、突如現れた一人の男に襲われた。 たった一人で、町ひとつ潰した。 『制裁だ。この町は罪人を匿った。 よってこの町を裁く』 シャルトは男の行っていたことが理解できなかった。 罪人?何の話だ。 だが、男は町人の言葉を聞かず、殺戮を始めた。 シャルトは両親と共に逃げていたのだが… 『シャルト、お前は逃げるんだ。生き伸びろ』 『元気で…。いつかきっと、また逢えるわ…』 背後に迫った殺人鬼からシャルト達をかばって殺された。 シャルトの耳には、両親の断末魔の悲鳴がまだ残っている。 シャルトは泣きながら、叫びながら、妹をつれて町から脱出した。 二人の生き残りのもう一人は、シャルトの妹だ。 今、遠く離れた島の教会で暮らしている。
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