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決意を胸に、聖十字の望みまで向かう。
まだ距離はあるはずなのに、ギルドの建物ははっきりと見える。
それほどに大きなギルドなのだ。
ギルドの人たちがそこで生活できるように寮があるらしい。
もちろん家賃は払わなくてはいけないが、仕事をきちんとこなせれば、さほど問題ない値段らしい。
らしい、というのは、シャルトも人に聞いた話だからだ。
その話を聞いて、シャルトは胸が躍ったのを覚えている。
『(そこまででかいギルドなのか!億が一にでも俺が入れることになったらすげえよな!)』
その頃はまだギルド探しを始めたばっかりなので、他に入れてくれるギルドがあるとタカを括っていた。
「その億が一に賭けるしかない状況に陥るとは思ってなかったなぁ」
重いため息をつく。
「…家どうすっかな。町出るならどうにかしないといけないよな。
残った家賃も多くないことだし、とっとと払って売っ払うかな」
既に半分以上、聖十字の望みに入ることを諦めていた。
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