一章 ギルドの世界

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決意を胸に、聖十字の望みまで向かう。 まだ距離はあるはずなのに、ギルドの建物ははっきりと見える。 それほどに大きなギルドなのだ。 ギルドの人たちがそこで生活できるように寮があるらしい。 もちろん家賃は払わなくてはいけないが、仕事をきちんとこなせれば、さほど問題ない値段らしい。 らしい、というのは、シャルトも人に聞いた話だからだ。 その話を聞いて、シャルトは胸が躍ったのを覚えている。 『(そこまででかいギルドなのか!億が一にでも俺が入れることになったらすげえよな!)』 その頃はまだギルド探しを始めたばっかりなので、他に入れてくれるギルドがあるとタカを括っていた。 「その億が一に賭けるしかない状況に陥るとは思ってなかったなぁ」 重いため息をつく。 「…家どうすっかな。町出るならどうにかしないといけないよな。 残った家賃も多くないことだし、とっとと払って売っ払うかな」 既に半分以上、聖十字の望みに入ることを諦めていた。
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